『立川流が好きっ!!』、まとめた。

(僭越ながら8/8(月)のトークイベント「立川流が好きっ!!」を私の視点で総括させていただきます。吉笑兄さんの思いは恐らく、立川流の将来の為にはこの「僭越ながら」を超えて来い――という所にあると忖度します。当日の一パネラーでは私が唯一の後輩。やらねばなりません。記憶のままに以下概要を述べ、さらに当日俎上にのらなかったその他の諸問題を挙げ、最後は私なりの展望を簡単に記します。お暇でさらに気が向く時にご覧ください。)

 

【概要】

※議論進行の順序の細部はあえて排して整理しています。

※当日の発言には直接的に出ていない表現を用いることもあります。

 

議論は概ね立川吉笑兄「現在落語論~立川流2016~」(『水道橋博士のメルマ旬報』所載)に記された幾つかの問題意識に添って展開された。

 

◎主題:立川流はヤバい~文字通りに「ヤバい」

 

論点(1)立川流HP

・「立川流HPの情報がわかりづらい」という指摘

~ブログ形式の一長一短→発信力の低下

・現在のHP作成・更新までの流れ

~経費の問題+世代間の温度差・知識差によるHPの必要性の認識の違い

~経費削減の結果として運営負荷が個人にかたよってしまっているのでは。

・HPの変遷

~初期HPの第三者による意見具申以降の展開→第三者運営の可能性もあった。

 

*若手がHP作成を補助する、もしくは運営主体となることは可能だ。

*経費的な問題も技能のある者が集まればクリアできる。

…課金・広告掲載を検討してもよいのでは。

 

論点(2)立川流ブランドの凋落

・家元没→ブランド凋落→勢いの低下(集客数の変化)

・団体「落語立川流」の一体感の欠如

~家元没後のアノミー(規範の弛緩による無規則状態)

~寄席世代・立川流世代・孫弟子世代の世代間の諸認識の違い

~家元と直接接触の無い世代・没後入門の世代は家元談志への畏敬の念は薄い

・前座さん教育

~家元の不在→楽屋の緊張感の欠如→前座修業の質的劣化

~前座から前座への教育・引き継ぎの不足

~寄席形式の一門会へ前座として入る一門と入らない一門/一門ごとの哲学の違い

 

*落語立川流の一体感はやはり必要。若い世代を中心に頻繁に集まり、《意見交換の場》をつくるべきだ。

*この《意見交換の場》は大きく門戸を開かれるものだが、世代・年代・個人の考えによってその価値は変わる。

*前座にも家元談志のスピリッツを伝える必要がある。太鼓など具体的な前座修業の教育・サポートは早急に行うべきだ。

*論点(1)の点も併せ、上記《意見交換の場》を主体に「部活動」のイメージで「HP部」「太鼓部」などの活動を行ないたい。

 

論点(3)事務局

・NHK新人落語大賞の応募連絡の顛末/外部からの仕事依頼の「迷走」

~対外的に、本来立川流とは独立した関連事務所に連絡機能を代理いただく状態

・落語協会・落語芸術協会の事務局

~事務局による仕事の受け入れ・差配の有無 →機会損失があるのでは。

・立川流の「事務」

~事務的作業の負担は、かなり重く個人にかかった状態

~一門会の番組作成の変化/若手登用/積極的企画/集客評価/出演数の変化

 

*事務局機能があればよいが、人的負荷・経費から現状ではその立ち上げは困難。

*対外的な窓口だけでも統一できないものだろうか。

 

★内外の現状に対する否定的条件挙げを乗り越えて、眼前の状況を利用して戦うべき。

★若手中心の《意見交換の場》の形成は、早急に実行する。

★そこを主体にした「部活動」については、具体案を練る。

 

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以下は、当日俎上にのりきらなかったトピックで私が気になっている事です。

 

【その他の諸問題】

  • 外交:落語界についての問題提起を先頭を切って行なってきた立川流だが、現在はそこから組織として疎外されている状況にある。慶弔についても同様で、団体として軽んじられているようにさえ思える。個人レベルの外交を、公式な外交に結実させるには、どうしたらよいのか。
  • 昇進プロセス:外部からよく訊かれる問題。そもそも落語家団体の機能は、寄席番組の構成(対席亭に意見具申)/外部からの依頼の差配/修業・教育/昇進決定・披露興行の実施(席亭との協力)というところにあり、昇進についてある程度腰が定まっていてほしいし、「師匠がOKならOK」というところに団体としてのお墨付きもプラスし、団体としての後押しも現状以上にほしいところ。でも結局、個人個人になってしまうのか…。

 

  • 一門会拡大:売上向上、認知の深化、前座教育、出番確保――のために、寄席形式の一門会の日数を増やせないだろうか。特に昼席をもう少し。以前はもっとコマ数があって、それがうまくいかなくて――ということは聞いてはいたが、現在は明らかに状況が違う。永谷さんと交渉できないものだろうか。

 

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以下は、あくまでも個人的意見をもとにした展望です。※当日出た意見ではありません。

 

【展望】

■《意見交換の場》は早急に具体的な活動項目を定める討議に入るべき。8/8メンバーの二ツ目+数人でまず話し合いをもつ。■落語立川流を構成する公式な「会」と位置づけ、諸方面了解のもと2017年新年会時にキックオフを発表するイメージで。■参会者は落語立川流所属の二ツ目・前座の全員が自動入会。強制ではなく活動ごとに参加不参加自由。■個人的に考えるこの「会」の活動項目は以下。①意見交換(情報共有・親睦≒単なる飲み会)②前座教育(家元談志レクチャー・太鼓鳴物・着物扱いなど楽屋振る舞い)③企画立案(ex.若手落語会の企画・若手新宿道場の活性化など)④情報発信(立川流若手中心のHP運営など)の4本柱。■活動開始にあたっては、各師匠・立川流一門への折々の相談・報告・了承をきちんと行ない、正しい手続きを経る。公式な若手研鑽機能として、明確に全体の理解を得る。■将来的には外部とも協力して若手だけで自主運営する寄席形式の一門会なども行えるようにする。■「会」を公的な機能とせずにあくまでも自主的なグループ(大きめのユニット)と考えるのであれば、その際は、定期的な落語会を立ち上げて、そこを軸として活動する。

 

以上。