昨夜は道楽亭さんで続けさせて頂いている「落語研究部」の第5回。雨止み男の俺がギリギリ雨を降らせませんでした。しかし雨男や晴男(女も無論)の影響範囲ってどれくらいなんだろう。気象なんだから関東くらいの単位であったほしいが如何か。開場前には席亭のおかみさんに最近の悩みを聴いていただく。主に梅雨時のヘアスタイルなどについてだから心配は要りません。ネガティブな気持ちになりかけても、やっぱり高座に上がった瞬間吹っ切れるから不思議。しかも今回は稽古段階から気合十分だ。会の前日などは上野広小路のウタヒロ→神保町のビッグエコー→溝の口のカラ鉄と三軒もカラオケボックス稽古のはしごしたくらいだ。料金もバカにならんな。そろそろ地元のカラ鉄以外のチェーンの会員にならねばな。『応挙の幽霊』。初演時は独演会だったせいもあってウケたのだが、調子に乗ってやった某和酒バーでの会で大コケ。某ホールでの三人会でもお客様ぽっかーんという状況で、お蔵入り候補にまで上っていたのだが、今回《落語と酒と酔っ払い》というテーマであり、且つ時すでにして夏、珍しい幽霊が酒を飲むこれをセレクト。かなり手を入れて幽霊のキャラもヘンなのにして(モデルはデキる女上司tpしてふるまう篠原涼子なのだが)、個人的には愉しいがサテといったところ。濃いお客様だからついて来てくださった。これね、ついてきてくださらないと本当に自分が哀れになる系の演出なので、いやぁ有難かったです。二席目は唯一の自作現代落語『豆腐の佐藤』。久々に稽古すると、贅肉が削がれて骨が太くなって好感触。お客様にもほどよく喜んでいただく。中入り後はこれがネタ下ろし『禁酒番屋』。これからこの場で酒飲みながら打上げの直前でこれかいという御仁もあろうが仕方ない。冒頭の地語りがタルいので近藤と酒屋の番頭の会話で処理。これってもっと短くできるなあ。五合徳利と一升徳利の持ち方は演出上はこれでいいのだが、実際一升徳利だとやっぱり徳利の首に手を当てたくなるがなあ。マクラでも話したんだが、酔っ払いの演技は外部観察だけでなんとかなるものではないな。ほろ酔いから泥酔まで酔った経験がある人間じゃないとわからない、体の内部の重心の揺れだとか、舌のもつれだとか、視野の狭さがあるよなあ。てなことを反芻しつつ打上げ。濃かったなあ。もうちょっと煮詰めたら焦げたわ。中年特有のしつこさや濃さ。意気軒高な若者の発する快活さとは程遠いこの場の空間。でも好きなのだな、この濃さが俺は。さて次回落語研究部は何を。あ。6/30には落語研究部番外編の《女性限定》バレ噺の会「ばれバナ」が同じく道楽亭さんであります。乞うご期待!濃い女子、求ム!